南の島で弁護士,はじめました。

自己紹介

来歴:尼崎→名古屋→鹿児島→つくば→東京→奈良→鹿児島→奄美

シマ弁の本棚

2010年11月2日火曜日

秋深し

とまではいかないものの,11月になり島も急に冷え込んできました。
夜外に出ると,夏物のスーツでは肌寒いくらい。
そろその衣替えのタイミングなのでしょう。
さて,去年のスーツが着られるかどうかw


普段は市街地の事務所と港の近くの自宅の往復(しかも車)なので,
自然と触れ合っているということもありません。
それでも,季節の移ろいを感じる瞬間は多い気がします。
やはり都会とは空気が違うのでしょう。
そういう島の空気が,自分を支えてくれる気がします。


法廷や打ち合わせ,研修に会議と島を離れることも多いですが,
奄美空港に着陸してタラップを降りると,
「帰ってきたなぁ」という感じがします。
以前島にいた弁護士は,「飛行機から島が見えると気が重くなる」と言っていたとか。
弁護士にとって,過酷な仕事が大量に待っている「戦場」への帰還と考えれば,
その悲嘆も分からないではありません。


自分も島に来て約半年が過ぎ,結構キツイ感じになってたりもします。
それでも,目の前の問題をひとつひとつ解きほぐして,解決していくしかない。
それは,この仕事であれば,どこでも同じでしょう。
何より,我々外部から任期つきで来ている弁護士は,
この島のためにその役を任されているのですから。
だから,奄美空港に降り立ったとき,
「帰ってきた」というホームの感覚を持ち続けることが大切だと,
自分では思っています。


こんなことを書いたのは,実は今その自信を失いかけているから。
一瞬,この島から逃げ出したいと思ったから。
でも,ふと,そとの空気の冷たさに秋,
馴染みのようで新鮮な島の秋を感じて,
この肌寒い空気をまとった島がまた私の舞台だと思うことができました。


「島の人になる」というのは努力目標だけど,
「島の人の役に立つ」というのは,最低限の条件です。
それを誠実に積み重ねている限り,この島はよそ者でも,
ホームとして迎えてくれる。
秋から冬,この地では未経験のこの季節に,島に根を張りたいと思います。
たくさん蓄えて,今年とは違う春の景色を見てみたい。
そのために,今自分は何をするべきか。
日々が惰性に流れないように。